~ゼロから始める!賢いお金の育て方~ KLDマネーコラム ①資産寿命とは
2025年05月12日
①資産寿命とは?
人生100年時代。誰もが長生きする可能性を秘めている現代において、私たちのお金は一体いつまでもつのでしょうか?
本コラムでは、これからの時代を生きる上で非常に重要な概念となる「資産寿命」について、その基本的な考え方から、なぜ重要なのか、そして資産寿命を伸ばすための具体的な方法を解説していきます。
第一回目の今回は、まず「資産寿命」とは何か、そしてなぜ私たちがこの概念を理解する必要があるのかについて焦点を当てていきましょう。
▍資産寿命とは「お金が人生でどれくらいの期間もつのか」
資産寿命とは、一言で表すなら「自分のお金が、これから先の人生において、どれくらいの期間もつのか」という、その期間の長さを指します。私たちが持っている資産が、日々の生活費や夢の実現のために、どれだけの時間、役割を果たせるのかを考えるものです。
この「期間」は、人それぞれ異なります。現在持っている貯蓄額、毎月の収入と支出のバランス、そしてこれから先の人生設計によって大きく左右されます。
▍なぜ、資産寿命が重要なのか
では、なぜこの「資産寿命」という考え方が、現代において重要視されるのでしょうか。その背景には、私たちの社会を取り巻くいくつかの大きな変化があります。
まず、科学技術の進歩や医療の発達により、私たちの寿命は年々延びています。かつては「人生50年」と言われた時代もありましたが、現代では80歳、90歳、あるいはそれ以上生きることも珍しくありません。これは喜ばしいことではありますが、同時に、より長い期間、生活を維持するためのお金が必要になるという現実も意味しています。
また、寿命が延びるだけでなく、健康寿命、つまり心身ともに健康で自立した生活を送れる期間も延びる傾向にあります。これは、老後もアクティブに活動できる時間が増えるということです。旅行や趣味、新しい学びなど、人生を謳歌するための選択肢が広がる一方で、それらを楽しむためには、やはり経済的な基盤が不可欠となります。
多くの方は、単に長く生きるだけでなく、豊かで質の高い人生を送りたいと考えているはずです。そのためには、日々の生活費はもちろんのこと、趣味や旅行、自己投資、そして万が一の病気や介護に備えるためのお金も必要になります。
もし、十分な資産がないまま長生きしてしまった場合、老後の生活水準を大きく下げることになりかねません。また、やりたいことを諦めざるを得ない状況に陥る可能性もあるでしょう。
だからこそ、私たちは自分の「資産寿命」を意識し、それがどのくらいあるのかを把握し、必要であれば延ばすための対策を講じる必要があるのです。
▍資産の基本的な考え方:収入と支出のバランス
資産寿命を考える上で、最も基本的な考え方は、「資産は収入から支出を差し引いた残り」ということです。シンプルですが、この原則を理解することが、自身の資産状況を把握し、将来設計を立てる上で非常に重要になります。
では、私たちの収入にはどのようなものがあるでしょうか。会社員の方を例にとって、具体的に見ていきましょう。
▶主な収入:給料、ボーナス、退職金、そして年金
会社員の方にとって、主な収入源となるのは、毎月受け取る給料です。日々の労働の対価として支払われるこの収入が、生活の基盤となります。
そして、多くの会社では、年に数回、ボーナス(賞与)が支給されます。ボーナスは、まとまった金額となることが多く、日々の生活費の補填だけでなく、少し贅沢な買い物や将来のための貯蓄に充てることもできるでしょう。
長年勤めた会社を退職する際には、退職金を受け取ることができます。退職金は、その勤続年数や会社の制度によって金額は大きく異なりますが、多くの場合、まとまった金額となるはずです。そのため、退職後の生活設計、つまり資産寿命を考える上で、極めて重要な収入源となります。
そして、会社を引退した後の生活を支えるのが、年金収入です。現役時代に納めてきた保険料に応じて、老後に一定の金額が支給されます。公的年金だけでなく、企業によっては企業年金制度がある場合もあります。
これらの収入を把握することが、自身の資産寿命を考える上での第一歩となります。
▶主な支出:生活費、教育費、住宅費、余暇費、そして医療費
一方で、私たちは日々様々な支出を伴って生活しています。どのような支出があるのかを見ていきましょう。
最も基本的な支出は、生活費です。食費、光熱費、通信費、日用品費など、生きていく上で欠かせない費用です。これらの費用は毎月一定額かかるため、長期的に見ると大きな金額となります。
お子様がいらっしゃる家庭では、教育費も大きな支出項目となります。幼稚園や保育園の費用から始まり、小学校、中学校、高校、そして大学や専門学校への進学費用など、子どもの成長段階に応じて様々な費用が発生し、進学の時期にはまとまった資金が必要となる場合があるでしょう。
そして、多くの方にとって人生最大の買い物となるのが、マイホームの購入です。住宅ローンを利用する場合、頭金が必要となりますし、購入後も毎月のローン返済、固定資産税、修繕費などが長期的な支出となるでしょう。賃貸住居の場合でも、毎月の家賃が継続的な支出となります。
人生を豊かにするためには、趣味や旅行、外食など、余暇を楽しむための支出も必要不可欠です。これらの支出は、私たちの生活の質を高め、日々の活力となるでしょう。
さらに、年齢を重ねるにつれて、医療費や介護費などの支出が増加する可能性も。健康状態によっては、これらの費用が家計に大きな負担となることも考えられます。
このように、私たちの生活には様々な支出があり、それらの総額が収入を上回ってしまうと、資産は減っていくことになります。
▍資産の推移:収入と支出のバランスが重要
収入から支出を差し引いた資金が、私たちが自由に使える資産として残ります。
上記のイラストは、一般的な会社員の方の資産の推移を表しています。現役時代は、毎月の給与から生活費などの支出を支払った残りが、資産(黄色の三角形)として徐々に増えていくでしょう。そして、退職金を受け取るときに、資産はピークを迎えることが多いです。その後は、年金収入と貯蓄の取り崩しで生活していくケースが多く、資産は徐々に減少していきます。
このイラストからわかるように、資産寿命を考える上では、現役時代の収入を増やし、支出を抑えること、そして退職金をどのように活用していくかが非常に重要になります。また、退職後の収入である年金が、どれくらいの期間、私たちの生活を支えてくれるのかも重要な要素です。
▍まとめ:計画性が未来を拓く
今回のコラムでは、「資産寿命」という概念の紹介と、その重要性について解説しました。長寿化が進む現代において、自分のお金がいつまでもつのかを意識し、計画的に資産形成・管理を行っていくことは、豊かな老後を送るための重要な要素となります。
計画とは、人生という長い航海を安全に進むための航海図のようなものです。目的地(理想の老後や達成したい目標)を定め、そこへ辿り着くために必要な資金を算出し、現在地(現在の資産状況)からどのように航路(資産形成・管理の方法)を進んでいくのかを具体的に描く作業と言えるでしょう。
次回のコラムでは、具体的な資産寿命の伸ばし方について考えてみます。
(2025年5月8日作成)
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