KLD Monthly Market Review 2025年8月1日 ~米国との関税交渉成立で、日経平均は42,000円を超える場面も~
2025年08月01日
今月のサマリー
2025年7月、米国との関税交渉成立で、日経平均は42,000円を超える場面も
8月は関税による不透明感が大きく後退し、株式市場は堅調な展開を予想
出所:数値・グラフ、コメントはQUICKデータを基にきらぼしライフデザイン証券作成。為替は仲値を記載。金はロンドン市場。国債の変化率は利回りの変化幅を記載。
後述する「本資料に関してご留意いただきたい事項」および「お取引にあたっての手数料等およびリスクについて」を必ずご覧ください。
7月の株式市場
2025年7月の株式市場は、米国と日本ともに力強い動きを見せました。米国では、3日発表の雇用統計で非農業部門の雇用者数が市場予想を上回る14.7万人増となり、経済の堅調さが確認されました。さらに4日にはトランプ政権の大型減税・歳出法案が成立。企業や富裕層への恩恵が期待されることから株式市場は上昇基調を継続し、前月に引き続きS&P500などの主要指数の高値更新が相次ぎました。月末29~30日のFOMCでは政策金利が据え置かれたため、利下げ期待が後退するものの、小幅な下落にとどまりました。
一方、日本は参議院選挙と関税交渉が並行して行われる重要な1か月でした。選挙では与党自民党は苦戦し議席を大幅に減らしましたが、選挙直後に米国との関税交渉が予想を下回る15%の関税率で妥結。これを好感し、日経平均株価は大きく上昇。一時42,000円台を突破する場面もあり、市場全体に明るい兆しをもたらしました。
7月の金利・為替市況
2025年7月の金利・債券市場は、米国と日本ともに財政健全化への懸念が意識される展開でした。米国では大型減税・歳出法案の成立を受け、財政支出拡大が懸念され金利は上昇傾向に。同時に、日本でも参院選で消費税減税等が論点となり、財政圧迫懸念から国債金利に上昇がみられました。
ドル円相場は、参院選での与党敗北で一時的に円高に振れるも、その後の米国との関税交渉成立を受け再度円安トレンドに転じました。月末の日銀政策決定会合では、金利据え置きが決定され波乱要因とはならず、結局150円まで円安が進み、先月末から6円程度の円安水準で7月を終えました。
8月の見通し
関税による不透明感が大きく後退。世界株は堅調な展開を予想
2025年8月の株式市場は、全体として堅調な展開を予想します。その理由の一つは、これまで世界経済を覆っていた関税に関する不透明感が大きく後退している点にあります。
さらに米国が中国に対して強硬姿勢を見せず、一部では関税措置の延長も取りざたされている状況も、市場を安心させる材料と言えるでしょう。
また、8月は21日から開催される経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」が最大の注目点となります。毎年恒例の同会議ですが、今年は大統領からの利下げ圧力が高い状況下で、パウエルFRB議長がどのような姿勢を示すかが焦点です。
もし議長が利下げに前向きな姿勢を示唆すれば、市場はこれを好感し、株式市場は一段と上昇する可能性があります。一方で、インフレ抑制を重視し、タカ派的な姿勢を維持するようであれば、短期的に市場が伸び悩む要因となると考えられます。
日本株式、自動車関連株の買戻しなど市場心理は好転
日本株式市場においても、米国との関税交渉が成立し、不透明感が大きく後退したことで、売り込まれていた自動車関連株が買戻されるなど、市場心理は好転しています。
一方で、参院選での与党大敗を受け、国内政治の混乱は不安要因として注意が必要です。また、関税に関する影響が判明するにつれて、日本銀行の利上げ再開が意識されるでしょう。年内の利上げを予想する向きも多く、これが日本株式の上値を抑える可能性があります。
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