市場レポート

KLD Monthly Market Review2026年3月25日(臨時) ~2026年3月、米国・イスラエルとイランの軍事衝突の長期化懸念で市場は乱高下~

2026年03月25日

3/25 臨時レポート

2026年3月、米国・イスラエルとイランの軍事衝突の長期化懸念で市場は乱高下。

原油高によるインフレ懸念に加えて、米国金利上昇により金価格が大幅下落。

出所:数値・グラフ、コメントはQUICKデータを基にきらぼしライフデザイン証券作成。為替は仲値を記載。金はロンドン市場。国債の変化率は利回りの変化幅を記載。

後述する「本資料に関してご留意いただきたい事項」および「お取引にあたっての手数料等およびリスクについて」を必ずご覧ください。

3月の株式市場

米国・イスラエルとイランの軍事衝突における長期化懸念

 2月28日に、イランの核開発計画をめぐる協議が難航したことを原因に、米国・イスラエルがイランに対して軍事攻撃を実施し、イランの最高指導者アリ・ハメネイ師を殺害しました。

 米国は奇襲攻撃から早期の親米体制転換を狙ったと考えられます。しかし、イランはアリ・ハメネイ氏の次男モジタバ・ハメネイ師が最高指導者となり徹底抗戦の姿勢を明確に打ち出しました。さらにイランは石油輸送の世界的要衝であるホルムズ海峡の封鎖を実施。世界的な原油の供給懸念から原油価格が暴騰。WTI原油は一時1バレル=100ドルを超え世界市場にショックを与えました。

 このイランの抗戦姿勢に衝突の長期化を感じ取った市場では、株式の売却が加速。S&P500は1月の直近高値から安値までで▲8%、日経平均株価は2月の高値から▲13.2%の調整を余儀なくされました。

今後の見通し

軍事衝突の長期化はトランプ政権に不利。米国とイランの停戦協議の進展に期待

 イランの徹底抗戦姿勢により、事態は長期化の様相を見せています。停戦に関する情報も二転三転するなど錯綜しており、市場環境は引き続き乱高下する展開が見込まれます。

 一方で、中間選挙を控えるトランプ政権には原油価格の高騰によるインフレ顕在化は、致命的な選挙敗北要因になる可能性があり、早期の幕引きを模索すると予想します。

 部分的であっても停戦を迎えれば、市場の回復は比較的早いと考えられるため、投資家としては長期投資の姿勢を堅持し、冷静に事態の進展を伺うことが重要です。

金価格下落の要因と今後の見通し

FOMCの結果を受け、利下げ観測が大幅に後退。金価格の調整要因に。

 金価格は2026年に入ってからも上昇が加速し、史上最高値を更新する展開が続いていましたが、3月以降、中東情勢の悪化を受け、大幅な調整局面となりました。

 下落の大きな要因としては、18日に開催された米国FOMCが挙げられます。中東情勢の影響はまだわからないとしながらも、インフレを呼び起こす可能性は否定できず、次の一手は利上げとの議論もあったとの報道がありました。

 このFOMCの結果を受けて、市場では利下げ観測が大幅に後退。米国10年債利回りも4.35%と1年ぶりの水準まで急上昇。金利低下を期待して購入していた投資家からの狼狽売りを巻き込んで、1月の直近高値から安値までで▲18%の大幅な下落局面となりました。

パニック売り一巡後は、再評価のタイミングへ

 現状の金価格の調整は、中東情勢の見通しが立たないことによる不安心理が強く、パニック売りの感があります。

 パニック売り一巡後は、当面、金利の方向性との連動性を高める展開が予想されますが(金利低下は金価格上昇、金利上昇は金価格下落)、金には地政学リスクに強い資産という特徴があります。

 11月の中間選挙後も、トランプ政権が2年続くことを考えると、地政学リスクの大幅な低下は当面見込みにくいといえます。そのような中では、金を保有するメリットが評価される時期が再度到来するものと考えられ、分散投資を構成する資産としての重要性は引き続き健在といえます。

出所:数値・グラフ、コメントはQUICKデータを基にきらぼしライフデザイン証券作成。金価格はロンドン市場の価格(ドル/トロイオンス)

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